【外壁塗装】雨樋や軒天の塗料、提案が少ないのはなぜ? 付帯部の塗装、手抜きじゃない? 理由と確認ポイントを解説!

「外壁塗装の見積もりをもらったけど、壁や屋根の塗料は色々説明してくれたのに、雨樋(あまどい)とか軒天(のきてん)の塗料については、あまり詳しく説明がないなぁ…。」

外壁塗装を検討していると、こんな風に感じたことはありませんか?

壁や屋根には「シリコン」「フッ素」「無機」といった、耐久性や機能が異なる様々な塗料グレードの提案があるのに、**「付帯部(ふたいぶ)」**と呼ばれる他の部分については、あまり選択肢が示されないことが多いようです。

**「もしかして、目立たない部分だから手を抜かれてる?」**なんて不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ご安心ください!多くの場合、これにはちゃんとした理由があるのです。

今回は、なぜ付帯部の塗料提案が少なくなりがちなのか、その理由と、後悔しないために必ず確認すべきポイントを分かりやすく解説します!

まず「付帯部」ってどこ?

本題に入る前に、「付帯部」が具体的にどの部分を指すのか確認しておきましょう。お家の種類によって多少異なりますが、一般的には以下のような部分です。

  • 雨樋(あまどい): 屋根からの雨水を集めて流す筒状の部分。
  • 軒天(のきてん): 屋根の裏側、外壁から出っ張っている部分の天井。
  • 破風板(はふいた)・鼻隠し(はなかくし): 屋根の先端(側面や軒先)についている板。
  • 水切り(みずきり): 窓の下や土台の上などについている金属の板。雨水の侵入を防ぐ。
  • 雨戸(あまど)・戸袋(とぶくろ): 窓の外側にある雨風を防ぐ戸とその収納部分。
  • シャッターボックス: シャッターを巻き上げて収納する箱状の部分。
  • その他: 笠木(かさぎ:ベランダの手すり壁の上部など)、換気フードなど。

これらの部分は、お家全体のデザインを引き締めたり、雨水の侵入を防いだりする大切な役割を担っています。

なぜ付帯部の塗料提案は少ないの? 主な理由4つ

では、なぜ壁や屋根に比べて、付帯部の塗料提案はシンプルになりがちなのか、その理由を見ていきましょう。

理由1:塗る面積と「費用対効果」のバランス

  • 壁や屋根: 塗装面積が非常に広いため、使う塗料のグレード(性能ランク)によって、工事全体の費用が大きく変動します。また、「どのくらい長持ちさせたいか(=耐久性)」という希望も、塗料選びの重要なポイントになります。だから業者さんは、お客様の予算や希望に合わせて、様々な選択肢を提示する必要があるのです。
  • 付帯部: 一つ一つのパーツは面積が小さいですよね。そのため、例えば標準的な「シリコン塗料」から、より長持ちする「フッ素塗料」に変えたとしても、工事全体の費用への影響は、壁や屋根ほど大きくありません。「費用に対してどれくらいの効果(メリット)があるか」という**「費用対効果(ひようたいこうか)」**を考えると、多くの付帯部では、標準的なグレードの塗料(シリコン塗料など)でも十分な耐久性が期待でき、バランスが良いと判断されることが多いのです。

理由2:素材が違う! それぞれに合った塗料選びが重要

  • 付帯部は、雨樋なら「塩化ビニル」、破風板なら「木材」や「窯業系素材」、水切りなら「金属」…というように、様々な素材で作られています。
  • 実は、塗料は素材との相性がとても大切です。例えば、塩化ビニルには、硬すぎる塗料だと割れてしまう可能性があるため、ある程度の柔らかさ(追従性)が必要です。壁用の高性能塗料が、必ずしも付帯部の素材にベストマッチするとは限らないのです。
  • そのため、業者さんは、それぞれの素材に適していて、かつ一般的な環境で十分な耐久性を持つ塗料(多くの場合は**「シリコン塗料」といった、比較的万能で実績のあるタイプ)を標準仕様として選んでいることが多いのです。

理由3:提案を分かりやすくするため

  • 家の全てのパーツについて、「Aグレード」「Bグレード」「Cグレード」…と選択肢を提示されると、見積もり内容がとても複雑になり、選ぶのが大変になってしまいますよね。
  • そこで、お客様が最も気にされるであろう主要部分(壁・屋根)の塗料に焦点を当て、提案を分かりやすくするために、付帯部については標準的な推奨塗料に絞って提示している、という側面もあります。

理由4:全体の「耐久性のバランス」を考えて

  • 一般的に、付帯部は壁や屋根と同じように、あるいは少し早く劣化が進むことがあります。
  • 例えば、壁や屋根に20年持つような超高耐久の塗料を選んだとしても、付帯部にそこまでの耐久性が必要かは、考え方によります。次回の塗り替え(例えば15年後)のタイミングで、壁・屋根・付帯部をまとめてメンテナンスできるように、付帯部には15年程度の耐久性が期待できる塗料(例:フッ素塗料)を選ぶ、という合理的な判断をしている場合もあります。

【重要!】提案が少なくても、確認は必須!

理由があって提案が少ないことが多いとはいえ、「じゃあ、付帯部の塗料は何でもいいの?」というと、それは大きな間違いです!

残念ながら、業者さんの中には、見えにくい部分だからと、付帯部の塗装を軽視し、グレードの低い塗料で済ませたり、丁寧な下地処理を怠ったりするケースも無いとは言えません。

付帯部も紫外線や雨風に常にさらされています。ここが劣化すると、雨漏りの原因になったり、お家全体の見た目を損ねたりします。

だからこそ、見積もりをもらったら、必ず以下の点を確認しましょう!

  • 「付帯部(雨樋、軒天、破風板など、具体的に)には、どのメーカーの、何という名前の塗料を使いますか?」
  • 「その塗料のグレード(種類)は何ですか?(例:シリコン系、ウレタン系など)」

最低でも**「シリコン系の塗料」**を使っていれば、一般的な耐久性としては安心できることが多いです。もし、見積書に「付帯部一式 ウレタン塗装」などとしか書かれていない場合は、必ず詳細を確認してください。

もし、「壁や屋根に合わせて、付帯部もできるだけ長持ちさせたい!」といった希望があれば、遠慮なく業者さんに伝え、**「もっと耐久性の高い塗料の選択肢はありますか?」**と相談してみましょう。

まとめ:付帯部の塗装も、お家を守る大切な要素!

外壁塗装の見積もりで、付帯部の塗料提案が少なくなりがちなのには、面積や素材、費用対効果などの合理的な理由があることが多いです。

しかし、それは付帯部の塗装が重要でないという意味ではありません。むしろ、雨樋や破風板などは、お家を雨水から守るための重要なパーツです。

業者さん任せにせず、「どの部分に」「どんな塗料が」使われるのかをしっかり確認し、納得した上で契約することが、大切なお家を長持ちさせる秘訣です。

疑問や希望があれば、どんどん質問して、満足のいく外壁塗装を実現してくださいね!

K.S美装代表
K.S美装代表
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