初めての外壁塗装で見落としがちな「コーキング」の重要性と費用相場

「そろそろ我が家も外壁塗装かな?」と考え始めたとき、多くの方は塗料の色や種類、費用に注目しがちです。しかし、住宅の寿命を大きく左右する見落としがちな重要要素があります。それが**「コーキング(シーリング)」**です。
コーキング(シーリング)とは何か?
コーキングとは、外壁材の継ぎ目や窓サッシ周りに充填されるゴム状の防水材料のことです。「シーリング」とも呼ばれ、住宅にとって非常に重要な以下3つの役割を担っています:
- 防水性の確保 – 外壁の隙間からの雨水侵入を防ぎ、雨漏りや内部腐食を防止
- 緩衝材としての機能 – 温度変化や地震による建物の動きを吸収し、外壁材の破損を防止
- 気密性の向上 – 隙間風を防ぎ、冷暖房効率を高める効果
なぜ外壁塗装と同時にコーキング交換が必要なのか?
コーキング材は紫外線や風雨にさらされることで約5〜10年で劣化します。劣化したコーキングはひび割れや肉やせ、剥がれなどの症状が現れ、本来の防水機能が低下します。
これを放置すると:
- 雨水が壁内部に侵入し雨漏りの原因になる
- 柱や断熱材が腐食する
- シロアリ被害のリスクが高まる
- 壁内部にカビが発生する
外壁塗装は見た目の美観だけでなく住宅を保護する目的があります。劣化したコーキングの上から塗装しても、すぐに塗膜がひび割れ、水の侵入を防げません。
外壁塗装時には足場を設置するため、このタイミングでコーキングも工事をすることで足場代を有効活用でき、コスト効率よく住宅のメンテナンスが可能になります。
「増し打ち」ではなく「打ち替え」が基本
コーキング補修には、既存のコーキング上から新しく施工する「増し打ち」と、古いコーキングを完全に撤去して新しく充填する「打ち替え」があります。
窓周りなど一部を除き、外壁材の継ぎ目(目地)は**「打ち替え」が基本**です。増し打ちでは十分な防水性が確保できず、早期に不具合が発生する可能性があります。見積もり時には「打ち替え」かどうか必ず確認しましょう。
コーキング打ち替えの費用相場
コーキング打ち替えの費用は以下の要素によって変動します:
- 打ち替えるコーキングの総延長(メートル数)
- コーキングの幅や深さ
- 使用するコーキング材の種類と品質
一般的な戸建て住宅(30坪程度)の場合、コーキング打ち替えにかかる費用相場は約15万円〜25万円が目安です。
施工単価は1メートルあたり700円〜1,200円が相場とされています。見積書では「コーキング打ち替え」または「シーリング工事」の項目に、単価・数量・合計金額が明記されているか確認しましょう。
著しく安い見積もりの場合は、耐久性の低い材料を使用している可能性や「増し打ち」工法になっている可能性があるため注意が必要です。
まとめ:コーキングは住宅の防水命
外壁塗装では塗料選びに意識が向きがちですが、コーキングは住宅の防水性能を保ち、建物の寿命を延ばす重要な役割を担っています。
劣化したコーキングは雨漏りや構造体の劣化リスクを高めます。外壁塗装時にはコーキングの状態も必ずチェックし、必要に応じて**「打ち替え」**を行いましょう。
足場を有効活用できる外壁塗装と同時にコーキング交換を行うことが、長期的に見て住宅を守り、将来の修繕費用削減にもつながります。
見積もり時には、コーキング工事の内容(打ち替えか増し打ちか、使用材料、単価、数量)を詳細に確認し、不明点は業者に質問することをおすすめします。大切な住まいを長く守るための重要な投資として考えましょう。