外壁塗装は水性塗料で大丈夫?溶剤塗料との違いを職人が解説

結論|水性塗料で十分対応可能です。ただし「使い分け」が重要です
**現在の水性塗料は技術の進歩により、以前のような「水性は耐久性が低い」という弱点はほぼ解消されています。外壁塗装であれば水性塗料で十分な品質を確保できます。**ただし、屋根や付帯部(雨樋・破風など)については、現在も溶剤(油性)塗料の方が適している部分があり、箇所ごとに最適な塗料を使い分けることが重要です。
「水性塗料は大丈夫?」と心配される理由

「水性塗料は耐久性が低いのでは」「溶剤(油性)塗料の方が長持ちするのでは」という心配を持つ方は少なくありません。これは以前の水性塗料の性能を知っている方や、ネット上の古い情報を見た方によくある誤解です。
実際、以前の水性塗料は溶剤塗料と比べて密着性・耐久性に差がありました。しかし、現在の水性塗料は技術改良が進み、外壁用途であれば溶剤塗料との性能差はほとんど気にならないレベルになっています。
水性塗料と溶剤(油性)塗料の違い
| 比較項目 | 水性塗料 | 溶剤(油性)塗料 |
| 主な溶媒 | 水 | シンナーなどの有機溶剤 |
| 臭い | 少ない | 強め |
| 環境への影響 | 少ない(VOC排出が少ない) | 多い(VOC排出が多い) |
| 密着性・浸透性 | 良好(近年大幅に改良) | やや有利な場面がある |
| 価格傾向 | やや安価な傾向 | やや高価な傾向 |
| 施工のしやすさ | 扱いやすい | 専門的な技術が必要な場面がある |
なぜ箇所によって塗料を使い分けるのか

K.S美装では、外壁は水性塗料、屋根と付帯部(雨樋・破風・軒天など)は溶剤(油性)塗料を基本としています。これには理由があります。
外壁に水性塗料を使う理由 外壁は面積が広く、近隣への臭いの影響も大きい箇所です。水性塗料は臭いが少なく、近隣トラブルを避けやすいというメリットがあります。また現在の水性塗料は耐久性も十分なため、外壁用途には適しています。
屋根・付帯部に溶剤塗料を使う理由 屋根や付帯部は、紫外線・雨風による劣化が外壁よりも激しい箇所です。
溶剤塗料は塗膜の密着性・浸透性に優れており、より厳しい環境下での耐久性が求められる部分には適していると考えています。
このように、どちらが絶対的に優れているということではなく、箇所の特性に応じて最適な塗料を選ぶことが、長持ちする塗装の秘訣です。
今後の変化|中東情勢によるナフサ問題で屋根塗料も見直しの時期に
正直にお伝えします。現在、屋根・付帯部に使用している溶剤塗料は、中東情勢によるナフサ(石油化学製品の原料)の供給不安の影響を受けています。
シンナーなどの溶剤の原料となるナフサの調達が不安定になっており、今後さらに価格高騰や供給不足が進む可能性があります。この状況を受けて、K.S美装では今後、屋根塗装についても水性塗料への切り替えを検討しています。
これは品質を落とすための変更ではありません。水性塗料の性能向上と、原材料調達の安定性を考慮した上での、より持続可能な選択肢への移行です。切り替えを行う際は、性能面でお客様にご不安がないよう十分に検証した上で判断します。
[外壁塗装の材料費はなぜ上がる?中東情勢・原油価格・シンナー不足との関係]はこちら
水性・溶剤、それぞれのメリット・デメリット
水性塗料のメリット
● 臭いが少なく、近隣への配慮がしやすい
● 環境への負荷が少ない
● 技術改良により耐久性が大幅に向上している
水性塗料のデメリット
● 気温・湿度の影響を受けやすい場面がある(低温時の乾燥に注意が必要)
溶剤(油性)塗料のメリット
● 密着性・浸透性に優れ、過酷な環境下でも安定した性能を発揮しやすい
● 低温時でも比較的安定して施工できる
溶剤(油性)塗料のデメリット
● 臭いが強く、近隣への配慮が必要
● 環境への負荷が水性より大きい
● 中東情勢の影響で原材料調達が不安定になりやすい
よくある質問(FAQ)
Q. 水性塗料だと色あせや汚れが早く出ますか?
A. 現在の水性塗料は耐候性・防汚性も大幅に改良されており、溶剤塗料と比べて明確な差はほとんどありません。グレード(シリコン・フッ素・無機)による差の方が大きく影響します。
Q. 屋根も水性塗料にして問題はありませんか?
A. K.S美装では現在屋根に溶剤塗料を使用していますが、水性塗料の性能向上を踏まえ、今後切り替えを検討しています。切り替えの際は性能面を十分に検証した上で判断しますので、ご安心ください。
Q. 水性塗料と溶剤塗料、価格はどちらが安いですか?
A.一般的に水性塗料の方がやや安価な傾向があります。ただし中東情勢の影響でどちらも値上がりが進んでいるため、価格差は以前より縮まっている部分もあります。
Q. 近隣の臭いが気になります。どちらがいいですか?
A. 臭いの影響を抑えたい場合は水性塗料がおすすめです。K.S美装では面積の広い外壁に水性塗料を基本としているのも、この臭いへの配慮が理由の一つです。
まとめ|「水性か溶剤か」ではなく「箇所に応じた最適な選択」が大切
水性塗料は、技術の進歩により外壁用途では十分な性能を持つようになっています。「水性だから不安」という時代はすでに過去のものです。
一方で、屋根や付帯部のように過酷な環境下にある箇所では、現時点では溶剤塗料に優位性がある部分もあります。大切なのは、どちらか一方に決めつけるのではなく、箇所の特性と現在の塗料性能を踏まえて最適な選択をすることです。
K.S美装では、お客様のお家の状態や立地条件を踏まえ、最適な塗料の組み合わせを正直にご提案しています。
塗料選びについてもご相談ください
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